カラーの主成分③過酸化水素

過酸化水素(H₂O₂)は一般に「オキシドール」と呼ばれ、酸化剤や漂白剤、また消毒殺菌など幅広い用途として使われています。
ヘアカラーにおける過酸化水素はメラニン色素を分解し毛髪を明るくする(脱色)、酸化染料を発色・定着させるという2つの役割があります。

過酸化水素の役割

① 髪を明るくする(メラニン色素の分解)

日本人の毛髪はメラニン色素が多いため、そのままでは明るい色は入りません。
過酸化水素はアルカリ剤(アンモニアなど)と組み合わさることで活性酸素を発生させ、毛髪内部のメラニン色素を酸化・分解します。

メラニン色素が分解されることにより毛髪が明るくなります。

② 染料を発色・定着させる

酸化染毛剤には、染料中間体とカプラーという小さな分子が入っています。
アルカリで膨潤した毛髪内部にこれらの分子が入り、そこに過酸化水素が加わることにより酸化し、分子量が大きくなります(酸化重合)。

目に見えないくらいの大きさだった染料中間体の分子量が大きくなることにより、人間の目にも「色」として認識できるようになります。
また分子量が大きくなることにより外に流れ出にくくなります。


過酸化水素の濃度

美容室では主に1%~6%までのオキシ濃度の過酸化水素が使用されます。
濃度が高いほど明るくなりやすいですが、反面、毛髪へのダメージや頭皮に対する刺激も増えます。

低濃度

  • 明るくなりにくい
  • オンカラーなど色を入れたいだけの時に使用
  • 比較的ダメージや刺激は少ない
  • 縮毛矯正の2剤の酸化剤としても使用されている

高濃度

  • 明るくしたい時に使用
  • 白髪を染めるにはパワーが必要なので高いオキシ濃度が必要
  • ダメージは高い

ブリーチ剤の過酸化水素

ブリーチ剤の中には初めから過酸化水素が入っています。
1剤、2剤ともに過酸化水素が使われているので、よりメラニン色素を分解することができます。

また、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩が酸化剤として配合されているので、ヘアカラーよりも高い明度まで脱色できます。

頭皮・毛髪へのダメージ

過酸化水素はメラニンだけでなく、タンパク質や脂質、シスチン結合なども影響を及ぼします。
その結果、パサつきやハリ・コシの低下、切れ毛の原因となったりします。

また、低濃度のものは殺菌消毒などにも使われますが、高濃度のものは皮膚や粘膜に対して強い刺激や炎症を引き起こす可能性があります。

カラー後に十分洗い流しても、ごく微量の過酸化水素や活性酸素が髪に一時的に残る場合があります。
そのためカラー後のホームケアには、ヘマチンなどが入っているトリートメントなど、過酸化水素を分解するアイテムを使用することが良いとされいます。

 

過酸化水素を使用しないカラー剤

以下が過酸化水素が使用されていないカラー剤です。

  • ヘアマニキュア
  • 塩基性カラー
  • カラートリートメント
  • ヘナなどの植物由来染料

これらは基本的には髪を明るくすることはできませんが、一部のものは過酸化水素を加えることによって髪を明るくすることもできます。

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