ヘアカラー剤の主成分のひとつであるアルカリは、肌や髪を傷める成分ではありますが、毛髪を膨潤させ薬剤を毛髪内部に浸透させる重要な役割を持っています。
アルカリの種類や量によって、染まりやすさや明るくなる力、ダメージや刺激が変わってきます。
アルカリの役割
ヘアカラー(酸化染毛剤)のアルカリには、主に次の3つの役割があります。
- キューティクルを開く
- 髪は通常、弱酸性(pH約4.5〜5.5)です。
- アルカリによってpHを約9〜11程度まで上げると、キューティクルが膨潤し開きます。
- これにより、染料や過酸化水素が髪内部へ浸透できます。
- メラニンを脱色しやすくする
- 過酸化水素はアルカリ環境で活性化し、髪のメラニンを分解します。
- そのため、明るくする力(リフト力)が生まれます。
- 酸化染料の反応を促進する
- カラー剤に含まれる染料中間体が酸化重合し、大きな色素になります。
- 大きくなった色素は髪の外へ出にくくなるため、色持ちにつながります。
主なアルカリ剤
① アンモニア
最も代表的なアルカリ剤です。
特徴
- 揮発性がある
- 強いアルカリ力
- リフト力が高い
- 独特の刺激臭がある
メリット
- 明るくなりやすい
- 染まりが速い
- 高明度カラーに向いている
デメリット
- においが強い
- 頭皮刺激を感じやすい
- 髪が膨潤しやすい
② モノエタノールアミン
近年非常によく使われています。
特徴
メリット
デメリット
- 残留しやすく、アルカリ除去が重要
- 製品によっては手触りが硬くなりやすい
- リフト力はアンモニアよりやや穏やか
③ アミノメチルプロパノール
比較的マイルドなアルカリ剤です。
特徴
用途
アルカリの毛髪への影響
アルカリによって髪は膨潤します。
通常毛髪のPH値は弱酸性でキューティクルは閉じている状態なのですが、アルカリ性に傾くとキューティクルが開いた状態になります。
キューティクルが開いた状態では毛髪内部のタンパク質や脂質が流出しやすい状態となり、パサつきや切れ毛などのダメージの原因にもなり、また、カラーの色素が抜け落ちる要素の一つでもあります。
アルカリ性に傾いた髪は、空気に触れることによって時間経過で酸化し等電点へ戻ろうとしますが、アルカリに傾いた状態ではダメージを受けやすくなります。
ヘアカラーやパーマの直後は残留アルカリもあり、毛髪がアルカリに傾いた状態ですので、弱酸性のシャンプーなどでできるだけ早く弱酸性に戻すことが重要になります。