カラーの仕組み
・毛髪の色の仕組み
日本人の毛髪には黒〜茶褐色の「ユーメラニン」という色素が多く含まれています。
このユーメラニンが日本人の髪を黒く見せている原因であり、髪を明るくする為にはこのメラニン色素の色味を抜かなくてはいけません。
このメラニン色素を脱色(漂白)する事をブリーチと言います。
ブリーチするとメラニン色素が抜けていき髪の色は明るくなっていくのですが、この時、髪質によって色の抜け方に違いがあります。
太くて硬い毛髪
脱色に時間がかかりやすい
色が抜ける時に、赤・オレンジ系に抜けやすい
細い、柔らかい
脱色が早い
色が抜ける時に黄色系に抜けやすい
このメラニン色素の抜けやすい抜けにくいがヘアカラーにとってはとても重要に関わってきます。
・酸化染料の仕組み
通常、私たちがカラー剤と呼んでいるものは「酸化染料」という種類のカラー剤で、カラー剤の1剤には、髪の色を明るくするアルカリ剤と、色味を入れる染料が入っています。
カラーはこの1剤に2剤である「過酸化水素」を混ぜ合わせることにより、化学反応を起こし髪が染まっていきます。
過酸化水素はアルカリと混ざり合う事によって酸素を発生します。
この時に発生した酸素がメラニン色素を分解します。
そしてこの酸素が、酸化染料の極小の粒子を大きくし、我々にも見えるほどの大きさとなり、それが色味となって髪に色を付けていきます。
この時に毛髪が太くて硬かったりすると明るくなりにくいので、時間がかかったりしっかりと色が出にくかったりします。
それとは逆に、毛髪が細かったり柔らかかったりすると明るくなりやすいので、時間は短時間となりますし、目的の色になるのも早い傾向にあります。
・酸化染料
この酸化染料が、私たちが良く耳にするジアミンと呼ばれるアレルギー物質なのですが、酸化染料はジアミンだけではなく、数種類存在します。
その中でも特に暗い色に特化しているのがジアミン系の染料で、白髪染めなどように髪の色を暗くするカラー剤には入っている事が多いです。
そしてこれが、ヘアカラーを続けていると身体に良くないと言われている原因の一つでもあります。
・酸性染料の仕組み
酸性染料は主に「マニキュア」と呼ばれているもので、酸化染料のように毛髪内部で発色するのではなく、毛髪の外側、キューティクルの内側までに留まり染料が発色します。
酸性染料は食品などにも使われている「赤色102号」などで、粒子が大きく毛髪内部までは浸透しません。
酸性染料はマイナスのイオン性質を持っており、毛髪のプラスイオンと結合して毛髪に付着します。(イオン結合)
マニキュアが傷まないと言われている理由はここで、化学薬品で毛髪内部に染料を浸透させているわけではないからです。
しかしデメリットもあり、毛髪表面に付着しているだけですので、色落ちも酸化染料と比べると早く、また、アルカリが入っていないので酸化染料単品ですと明るくすることもできません。
また、毛髪のプラスイオンに結合するということは、マイナスイオンに傾いているダメージ部には入りにくいという事です。
・塩基性染料
塩基性染料はマニキュアと同じく、イオン結合で髪の表面に付着して発色する染料です。
ですが、マニキュアとは逆でプラスの電荷を持っており、毛髪のマイナスの電荷と結合します。
よって、ブリーチ直後や傷んでいる毛髪で染まりやすいと言えます。
ヘアカラートリートメントやヘアバターなどに使われている染料で、塩基性青99などと表示されています。
・HC染料
HC染料は塩基性染料の色味を補うために入っている事が多い成分です。
電荷を持っていないのでイオン結合はできないのですが、分子が小さいため毛髪の内部まで浸透し発色することができます。
しかし同時に、分子が小さい為に色が抜けやすいという欠点もあります。
HC染料は「HC黄5」などと表示されています。